『5W1H』さえ守っていたらすべて『いい記事』!? [編集ミニ講座](8)

  『記事の書き方』について…という質問に、いつもお答するのは「『5W1H』、これだけは守ってくださいね。」それのみです。それ以外のお答をしようとすると当方でも結構困ってしまいます。『読んでもらえるような記事の書き方』などという質問は、さらに難しいです。

『5W1H』とはつまり、When(いつ=日時など)、Where(どこで=場所)、Who(誰が=人物など)、What(なにを=目的・行為など)、Why(なぜ=原因・理由など)とプラスHow(どのように=様子・手段・状態・方法など)です。記事に必要な要素はこれだけでOKです。
 
『5W1H』は必須なだけで価値判断は別
 ただ、別の角度から言えば、この『5W1H』は必須条件ですが、順番はどうでもよくて、さらにどれが一番重要ということもありません。しかし等価でもありません。全部必要なだけです。これを全部書いてあれば読む人は、大方のことを正しく知ることができます。そういうのを一般に「いい記事(正しい記事)」と言ってるだけだと思います。これがフジイ企画流の解釈です。
 では一般的にまずい記事、「何が書いてあるのかわからない記事」とは何か?、これも簡単で、この『5W1H』のどれかの要素が必ず抜けているのです。これは、書き忘れのほかに、『故意』であるケースも多いのです。友人たちのメール交換には当事者間だけでわかる暗黙の了解があり、それはこの要素のいずれか、若しくは複数要素を意図的に欠落させているわけです。友人同士のメール交換やブログなどでも、他人がみたら「わけわからん」という記事が多くあります。「主語が抜けている」などという言い方もよくしますね。
 
『5W1H』のそれぞれの価値を変える要素を
 まず、人に『伝えよう』とするならこの『5W1H』をきっちり守ることだけでOKです。しかし記事が『面白ないやん』ということがあれば、これは『5W1H』価値を変える内容を書くということです。つまり、『誰』(噛みついたのは犬ではなく人間)か、『いつ』(真夏に暖炉でパーティ)か、『どこ』で(無人島での商談) …ということですね。『5W1H』は等価ではないといったのはこのことです。要するに面白い記事は要素の価値の問題で、書き方の問題ではないということだと思います。

 

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こんな『編集講座』ってあり?かな [編集なんでも談話室]

 『ミニ編集講座』なるものをわが「事務所だより」にスタートさせて2週間。読者の皆様にとってどうだったでしょうか。
 書店に行けば、新聞編集や広報企画のマニュアル本も多く出版されていますね。でも、私としては『マニュアルに忠実に…』ということができません。というかマニュアルで動けないのでしょうね(我がヘンコの職人デザイナーと共通か…)。今回、スタッフが作成した質問事項に対しては、ほとんど原典なしでお答えしているケースが多くて、マニュアル本と相反する主張があるかもしれません。
 
『編集上のタブー』ってなんだ!?
 ところで、当社のお客様は、自らの参加する団体の広報や機関紙コンクールに出展されるケースも多いのですが、その出展作品に『編集上のタブー』を指摘されることがしばしばあります。そのタブーというのは「記事の流し方」「写真の扱い」などに関する新聞組版のセオリーから来るもので、当然私たちもそのセオリーに従って日々業務を行っています。
 
あんまりカタに嵌められたくないですよね
 要するに「そうすると見にくい、わかりづらい、おかしい」と『いわれている』ことが論拠の中心になるのですが、私たちが「あたりまえ」と理解した場合であったとしても、突き詰めると、実はその解釈があいまいであったり、論拠自体が明らかに間違いであったりします。そうなると「タブーの要件」自体が変わってしまうのです。
 私は『タブー』という言葉自体好きではありません。そういう論評には必ず『論拠を示せ』とつい反論したくなり、実際、当社ブログで反論したこともあります。そういう無批判に「カタに嵌められた」論評には、お客様以上に私自身が反応してしまいます。
 
新しいものはセオリーを超えて…
 そもそも日本の新聞(広報)百数十年の歴史で、日本の新聞は、独自の進化をしているような気がします。見せ方、読ませ方の技術はこの100年ですごく進歩したように思われます。その技術の複雑さのせいで、様々な編集上のセオリーが生まれ、タブーが生まれてきたわけで、決して間違ったものではありませんが、その進化は今でも止まったわけではありません。いい紙面づくりへの挑戦はいわゆる『タブーへの挑戦』であるのかもしれません。
 
 こんな独断的見解、どうなんでしょうね? 実例を示せず、わかりづらかったかもしれませんが、でも、本当の職人さんは超ヘンコに現実を改良しているとは思いませんか? 皆さんのご意見をお願いします。



写真のトリミング第2弾。編集者は編集意図をきっちり持って [編集ミニ講座](7)

 

 前回(6月21日)は紙面構成上の写真の選択というお話でしたが、ここでカメラマンと編集者の立場(視点)の違いということに触れました。広報紙を構成する要素の一つは写真。写真の選択については、結構もめることが多いので、編集者はどういう立場で写真を選んだらいいのかというお話しをもう少し。

 
もめる元は撮影者と編集者の意図の違い
 撮影する人と編集する人が同じならいいのですが、違う場合「こっちがいいのに。なんでこうなるの!」とよくやってます。こんな時は、よく写真単品の構図やデザイン力・デザイン解釈の問題と勘違いするのですが、実際は撮影者(出稿者)の意図と編集者の編集意図の違いが一番大きいのです。文字原稿、写真(イラスト)、紙面構成を考えて決定する時、編集者はこの紙面で伝えるべきことを意図して、紙面全体の構成の中から写真選び、トリミング(上の写真のように単純ではありませんが)を考える視点を持つことが一番大事です。
(同じ写真を多用してすみません)
 
 今、PTA広報紙は1学期終了号の編集時期で、フジイ企画もちょっと追われています。PTA紙は年に3回発行されるケースが多いのですが、バックナンバーを見たときに何学期に発行されたものか、一目見ただけで分かるような季節感のある写真をアイキャッチに使うなど、紙面作りに工夫を…。
 

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見出しに「!」「?」マークをつけちゃだめなの? [編集ミニ講座](6)

 見出しの役割のひとつは「本文を読まずに中身がわかるもの」であるため、一般的に見出しは、言葉のみで驚きや疑問を表現するのが良いといわれています。限られた文字数で、いかにインパクトのある表現をするか、というのが良い見出しのポイントです。例えば「敵地で圧倒」「完全復活なるか」など文字表現のみで『!』『?』は使いません。使うスペースがあるなら文字数を増やすかポイントを上げて見やすくします。

 ただ、あまのじゃくなフジイ企画では、見出しの情緒的効果(!?)の側面を考えたり、キャッチコピーとして考えるなら、場合によっては有効な表現方法の一つとして、たまに挑戦することがあります。例えば、ヨコ見出しで、
『完成じゃ!チクショー!!!!!!』
これ、facebookの友人がウォールで使用したもの(ちょっと変更して転用してます。気付かれた方お許しを)ですが、これを新聞記事のヘッドに使ったらどうでしょうか? この記事読みたいと思いますか? でもここまで新聞でやれば面白いと思いませんか。
 コンクールの審査員からまたクレームが来そうなのでこれくらいにしておきます(笑)が、一番良くない、スペースが余ったので入れた〝なんとなくの「!」マーク〟はやめましょう。
 

★毎日ムシムシ暑いですね。皆さん体を壊されないようご注意くださいね。わたしも作業に熱中していると水分補給を忘れてしまうので、気をつけないと…。 

 

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縦組みと横組みの違いって?どっちがいいの。 [編集ミニ講座](5)

 公文書でもヨコ組みですが…
 最近、広報紙・会報などでも横組みの紙面が増えてきました。それは、主に最近のパソコン・ワープロ打ちが主流になってきたからでしょうか?
 学校の教科書では国語は縦組み、理科・数学は数式が多いため横組みですが、社会科関係も横組みですね。裁判所の判決文も昔は縦組みでしたが、あるときから横組みに変わったので、今や公式文書は横組みが主流といえます。
 
タテヨコ両刀遣いは日本新聞固有の文化!?
 でも、もともと日本語は縦組みが基本なので、新聞などは縦で組んでいくのが普通と考えられます。どちらが正しいというわけではないでしょうが、日本語新聞は、縦組みは縦見出しと横見出しのどちらも使えるので、その分レイアウトの自由度が高くなります。「右上から左下への斜め読みを基本に組む」という日本新聞のスタイルは、縦横の自由度が大きい日本語新聞特有の文化だと考えています。その分レイアウトが複雑になり、割付記者の専門度は高くなるのですが、私たちはそれに固執していきます。そんななかでも数字が多いときはその分だけ横組みにしたり囲み記事の中身を横組みにすることによって、紙面にメリハリを付けることもできますね。
 
★最近は天気が不安定ですね。レインブーツを買おうか買うまいか悩んでいる内に梅雨明けしそうです…。

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『楽』に発行するなら発行回数『増』やしましょう [編集ミニ講座](4)

  ちょっと現実離れしたお話に聞こえるかもしれませんが、作業も楽で読んでもらえる新聞を作るなら「発行回数を増やしましょう」と提案しています。本業以外の担当者さんなら月刊紙がいいですね。とお薦めします。

 回数を増やすのは作業は大変とお考えではないですか?実は回数を増やす方が作業短縮になるのです。(でも発行費用はかかりますが…。)
 
しんどいのは毎月より年数回の発行
 実は一番大変なのは年3回ぐらいの発行です。PTA新聞の場合の発行回数は学期末ごとの発行がこれで、大体1号発行ごとに3回ぐらいの編集会議をもたれています。そうすると会議だけで1年で9回。会議ではその号全体の企画、行事の確認、取材方法、担当割り、記事の集約日と基本レイアウトの作成に至る工程を毎回決めていくことになります。その上で取材・執筆。年3回発行だと、慣れてこられたころに委員さんの交代でまた最初からということになります。
 
『コラム』とルーティンワークで
 楽に読まれる紙面づくりのポイントは『連載』『コラム』をたくさん作って2回目以降はルーチンワーク、という仕組み作り。もちろん最初はどんなものでも産みの苦しみで、スタートは同じなのですが、一度パターンができると2回目以降はかなり楽になります。しかも進化するので、いい連載コラム関係は他の記事より読まれるようになります。「行事(報道)記事」については毎回「行事予定表(カレンダー)」を作成しておけるのでそれに沿っての確認と取材・執筆担当者を決めるのみ。書き方については、いずれの記事も「前回見本を参照して…」という流れができます。
 
1回の会議と担当分の取材・執筆だけでGO
 会議での議論はその号の目玉記事(トップ記事)と、読まれなくなったコラムの検討と変更(いつもではない)に集中し、最も多くの時間をさけます。慣れたら1回の会議ですべて終わってしまいます。サイクルが早い分、2回目以降は同じパターンでどんどん速くなってきます。月刊紙ベースで発行しているお客様(もちろん本業ではありません)は、基本的に会議1回(2時間以内)だけで、あとはそれぞれの担当者が原稿の集約(締切)日に結集するだけで進めています。
 
 ちょっと簡単に書きすぎてしまいましたが、力の集中とパターン化で楽でよいものをつくろうというお話です。(もちろん担当者同士、会議以外でのコミュニケーションはよくとっておられます)
 

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写真はたくさん撮ってトリミング! [編集ミニ講座](3)


カメラマンの目線より編集者の立場で
 
 広報紙を構成する要素の一つは写真。編集作業のなかで沢山の写真の中から、1枚選ばなければいけないというときがあります。そんなときは何を基準にして選べばいいのでしょうか。

 ここで決定的なのは、カメラマンと編集者の立場の違いです。記事のアウトラインに沿って写真を選ぶとき、編集者は記事内容を読者の目線に置き換えて考えることが大事です。写真は記事の構成要素のひとつであるから、カメラマンの推薦ということではなく、独自の立場で記事・写真それぞれ補強できる組み立てをすることです。必ずしもきれいな写真、構図が優れた写真がいいとは限らないのです。
 そこで、限られた写真の中で効果的に紙面に生かすためには、無駄な部分のカットやクローズアップによる「トリミング」という手法をよく使います。たくさんの写真があれば選択の幅が広がるので、カメラ担当の方は、構図をあまり気にせずいろんな表情、いろんな角度から多く撮影することをお薦めします。
 
 ところで、こんなことを書きながら、ブログ用に撮影した写真など見ると、私は表情が固いと、よく言われてしまいます……。「動き」を持った表情を作る良い方法がありましたら、是非ご紹介ください。
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記事に見出しをつけよう [編集ミニ講座](2)

  「運動会開催」は見出しじゃない!?
 「運動会について」「社会見学を開催」。PTA広報紙で、ついつい大きく付けてしまいがちですが、これは見出しではなく原稿の「タイトル(題名)」、つまり名前ですね。「何の記事?」と聞かれて、答える「名前」。普通記事を書く人が「運動会」をやったから「運動会開催」とつけてしまいがちなんですが、こういうの新聞社では「ステ見出し」といいます。原稿の種類を区別するために一旦つけるけど、レイアウト後、「捨てて」しまうからです。一般新聞なら、一番ポイントとなるフレーズ、もしくは読者が知りたいことを見出しにして、読者を誘います。見出しだけ読んだら紙面の中身がわかる…というのがいい見出しと言われています。学校のPTA新聞なら、ちょっとしたエピソードを見出しにしたりしますね。原稿をじっくり読んで、本題じゃなくても、ここで伝えたいポイントを押さえた見出しをつけましょう。
 
★フジイ企画では、ただいまPTA広報紙の制作真っただ中!原稿整理をしながら、自分の子どもの頃を思い出したりして、なつかしい気持ちです!

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文章と写真の割合はどれくらい? [編集ミニ講座](1)

Q.記事、写真(イラスト、図表)見出しの紙面配分は?
 A.文章記事の目安は、紙面全体の1/2以内です。それ以上文章があると、画面のほとんどが文字ばかりの読みづらい紙面になってしまいます。また、写真・図表・カットは1/4、見出しも1/4が目安です。こういった割合で、読みやすい紙面をつくることができます。
 
  一般的に、私たちは記事量の多い紙面を『白っぽい紙面』という表現をしますが、字が多すぎると読者から敬遠されがちです。上記の割合を目安にすると、読者にストレスを与えずに、いわゆる『読まれる紙面』に近づきます。また文字が多すぎる紙面と少なすぎる紙面では、どちらかといえば記事が多いよりは少なめの方が、とっつきやすいということになりますか…ね。
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データ入稿は「パンドラの箱」!?では困ります。 [編集なんでも談話室]

よろしくお願いします
 「編集なんでも談話室&ミニ講座」というコラムが今日からスタートしました。第1回目は私(木下)ということでネタ探しに苦労しますが、これからお付き合いよろしくお願いします。また記事掲載に対する皆様のご意見もよろしくお願いします。
 第1回目にしてはちょっと瑣末なお話になりますが、つい先日、実際社長が新しいお客様と「原稿の出稿の仕方」についてお話していたやりとりから、掲載していきたいと思います。(木下)

 
先日、新たなPTA担当の先生よりお問い合わせ。
フラッシュメモリやメール添付だけでなく、プリントアウトしたデータ(もしくは手書き原稿)も一緒に提出してほしいと言われたけど、何故?
 

デジタル出稿は工程が短く、費用が安いけど
 昔と違って、今や原稿はワープロなどのTXTや写真などもデジカメ写真(jpg)などデジタルデータで受け付けることが多くなってきました。当社としては学校のPTAの新聞などは、入稿形式の基本形をそもそも「デジタルデータ」と決めている場合がほとんどです。何よりデータ化→メールというラインで効率化をすれば、工程も早く、組版費用も安くて済むからという理由です。

原稿を点検できないのは非常に怖いのよね!
 ただ、この入稿形式の場合、昔ながらの手書き記事や生写真の入稿と違って、それだけ受けると点検のしようがないのです。データには破損の恐れもありますし、[どんな写真]かは開いてみてのお楽しみでは、組む方としては非常にこわいですね。そのためにどうしても可視化できる原稿をお願いすることになるのです。ちょっと面倒かもわかりませんが、よろしくね。
 
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