原稿出稿時の3つのお客様タイプ【編集サロンです】

プリント新聞組版は複雑!? 皆さんに必要なフォローは?

 きのう(5月20日)は紙面を見る『視点のちがい』というお話をしましたが、当社のお客さまフォローのスタンスは、あくまで編集者の視点=読者の視点を大事にすることです。でも実際の受注状況はそうしたフォローが必要なお客さまとそうでないお客様がいらっしゃるので、当社では、お客様の原稿出稿のタイプを3つに分類しています。これは社内基準なので、いつもお伝えしているわけではありませんが、皆様の意図と要求を当社スタッフが的確に把握するためです。皆様にもご参考のために…。

当社の原稿出稿の3つのパターン分類
A分類(完全レイアウト)
  専用の割り付け用紙に、字数や写真の寸法も計算した割り付け用紙を原稿とセットで出稿されるケース。昔はこれが基本でした。今でもそうですが、印刷会社は基本的にお客様の指示のない作業はできません。だから新聞社や出版社は、専用の割り付け用紙に、レイアウトデザイン、字数計算、写真寸法などを設計図(割り付け用紙)に書いて原稿と一緒に提出します。
B分類(基本的紙面イメージあり)
 基本的な割り付け(レイアウト)表の指示、つまり記事・写真のページ割と簡単なレイアウトはあるけど、それに従ってある程度お任せのパターン。中には多少詳しい指示がある場合もあります。当社はその指示をあくまで基準にレイアウトしていきます。
C分類(ページ割のみあり)
 紙面割表(ページ建て)表もしくは、レイアウト用紙にページ建てと順序、使用写真点数を記してあるタイプです。当社はその紙面割表に従って紙面割と写真、文字数計算して割り付けレイアウトをしていきます

編集セオリーに従って、レイアウト用紙に向かうAタイプ
 A分類の場合、お客様の指示に対する当社のアドバイスは基本禁止として扱います。この形式で出稿されるお客様はプロの出稿形式ですが、必ずしもそうではなくて、学校の新聞部やPTA広報でもコンクールに出展する場合など、自ら学んだ編集セオリーに従って独自に取り組むことに意味を見出しているからです。こんな場合、当方は意見を述べることはあっても基本割り付け表どおりです。記事がはみ出すような場合でも、そのままゲラ出しするので、担当者自ら記事を添削するなり写真枠を調整したりします。

当社のデザイン・レイアウトは新聞組版セオリーとルールを遵守します
 次のB分類とC分類はちょっと複雑で、どこまで依頼されるかで、当社の関与の度合いが違ってきますが、その場合に前提となるものが「組版ルールとセオリーの遵守」です。よい紙面はデザインに訴求力もありますが、それには様々な組版ルールとセオリーがあります。当社それの遵守を前提とすることをお伝えして取り組んでいきます。当社のお客様ではほとんどがこのBもしくはC分類にあたります。

記事の字数、本数、写真枚数を確定してお任せのCタイプ
 まずC分類の場合、前もって提出された、お客様のページ割表(ページの割り振り)に合わせて組むので、出稿時のアキ、はみ出し予測が大幅でなければあまり問題なく進むことが多いです。大幅なはみ出しが予測される場合は、前もって打ち合わせしておきます。記事内容に力を入れているタイプですね

Bタイプは紙面イメージを一致させることが大事
 さて、一番難しいのがB分類のお客様です。B分類はある程度の割り付けと仕上がりイメージある場合ですね。当社は基本的にいただいた割り付けイメージに沿って制作しますが、ただ先ほどものべましたように新聞組版には一定のルールがありますので、ある程度キッチリ書かれていても、禁則事項にかかったり、文字数・写真点数など紙面都合上の制限で、最初のイメージが多少変わってきたりすることもあります。最初のコミュニケーションが大事になってきます。

皆さんはどのタイプ?
 お客様でもその時々の編集部のタイプやカラーで様々ですね。最初に紙面イメージがあって、文字数も指示通り確定されれば、Aに近いBとなり、禁則事項が多いデザインレイアウトに時間を費やすより紙面企画(アンケート特集など)や取材・記事集めに力を入れたほうがいい、という判断の方は「丸なげのC」と言われます。さて、みなさんはどのタイプ?

 



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