編集者のねらいと読者の反応は違う
どの記事をトップにするか?
どのページに何の記事を載せるかという「紙面割り」は、お客様から指定いただくことが多いのですが、逆に記事だけ頂いて、その割り振りのほとんどをお任せいただくことも、よくあります。
こうしたとき、まず最初の難問は「どの記事をトップ(一面目)にするか?」ということです。
定番記事が多くても新鮮な紙面への工夫
会話や文章でも「一番最初に何を伝えるか」を悩むことがありますが、紙面づくりも同様に「トップに何を置くか」を決めるのは、紙面全体の印象を決めることにもなるので結構難しく、奥深い作業です。
機関紙などでは毎年定番の行事が多いので、どうしても前回同時期を踏襲して、紙面が似たような印象になりがちなことが、皆様も悩まれている課題の一つです。
読者目線を感じる紙面づくりを…
ここで最初に意識した方が良いのは、「読者の視点」です。読んでもらいたい記事の優先順位と、読者の反応は違うという認識を持つことです。
恒例行事でも、必ずトップで扱うという固定観念は本当は必要ではなく、これまでの全体の人の動きを見て、その流れを見つけ出すことが紙面割りの指標になります。ただ、前例の踏襲をやめて切り口を変えるのは、編集者にとっては結構勇気が要ることではあります。
読者を引きつける重要な役割
一面トップは、紙面を手に取ったとき、読者が一番最初に目にする広告塔のようなもの。ここに載せる記事のインパクト次第で、次ページ以降の反応が変わってくることも多いです。
トップ記事を決める時、記事内容や写真、他の記事とのバランスなど判断基準はいくつもありますが、やはり決め手となるのは「読者の視点」。「もし私が一読者だったら…」という基準を、いつも意識しておくと良いかもしれません。
どんな記事にもそれぞれ書いた人の想いが詰まっていて、紙面割りは広報担当の皆様にとっても頭を悩ませるところかと思います。発行者・執筆者・読者の見方は違うということを理解して、橋渡しをするのが編集者の仕事です。
(社報『紙ブログNEWS』2026年新春 第62号)
