「冊子」の編集について【制作部あれこれ23】

ページ数が多く納期が短い冊子の制作術

広報紙と共通する時事冊子の即応体制

 通例の広報紙制作と併行して、少しスパンの長い“頁物(ページもの)”の編集も、弊社では大事な業務になります。
 “頁物”は、作業内容から「書籍」と「冊子物」とに大別しているのですが、今回は「冊子物」についてお話しします。
 主に報告集、記録集、議案書などページ数や文章・写真等の使用点数が多く、しかも執筆者に複数人が関わる印刷物を「冊子物」と呼んでいます。

〝納期圧縮〟は最新記事を掲載するため

他の“頁物”との一番の違いは、一般書籍より『納期が短い』という点につきます。報告集、記録集、議案書は広報紙のような時事出版物に近く、①できる限り最新の情報を掲載するので入稿時期が遅くなる一方、②成果物を一斉に使用(集会など)するため動かせない日程があり、また配布の都合上、納期は逆に前倒しになる傾向にあるので、工程をどれだけ短縮できるかがネックになります。
一般に“頁物”の場合は、社内の編集・制作期間だけでなく、印刷・製本・仕分けなどの下流工程でも時間を要するので、三者で綿密に打ち合わせをして工程表を取り交わしていきます。ただ、このような冊子の場合、期日があっても、会議での合意が無ければ進められない内容の記事もあり、全てが工程表通りには進みません。

全ページの進捗が分かる工程表の工夫

弊社では広報紙制作を主流としているため、工程表の合意と交換は、冊子制作に限らず全てのお客様と取り交わしています。これは他の業務が集中しても個別のお客様にご迷惑をかけないための基本体制で、お客様ごとの工程表を集約し、毎朝の社内ミーティングで確認しています。
ページ数の多い冊子の場合は、このほかに校了後点検の時間短縮のために、校了以前の制作期間で「入稿状況表」を作成します。全記事一覧と入稿・差替日を入稿のたびに追記し、弊社とお客様とで都度交換し合うようにします。どのページが未入稿なのか、いつ差替になったのかがひと目で分かるよう管理しています。

品質力を強化する校了後の再点検

通常、冊子は100~200ページもあるので、内校(社内校正)も念入りに行う必要があります。内校のポイントは、主にデータ上の不備だけでなく、記事内容のチェックも行います。記事内容の校正については基本的にお客様側の責任ではありますが、ミスによる損失は責任の所在に関係なく信頼関係にも影響するため、校正ミスと判断できるものはご連絡および再提案を密にさせていただいています。品質力強化が弊社の最大の目的です。

(社報『紙ブログNEWS』2025年夏 第60号)



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