1面トップに「ごあいさつ」なんかいらない!? [編集サロン19]

20120911 いろいろな(新聞形式の)広報紙を見ていて、やたら多く目につくのが、一面トップに「ご
あいさつ」が並ぶ紙面です。出だしからまず会長のごあいさつ、次に副会長のごあいさつ。順番もエライ方からというように…。
 
「1面あいさつ」は本当に紙面のメインですか?
 誤解を恐れずに言えば、1面「あいさつ集」はよほどの内容でない限り読み飛ばされやすく、全紙面の印象を固くしがちです。編集方針にも関係することですが、「あいさつ」は紙面のメインではないケースがほとんどなので、できるならめましょう。新聞は雑誌のように、一つの要素でページ完結するようなものではなく、記事の配列や順序にちょっと高度な「編集者判断」が必要となるとお話しました。
 
新聞紙面に「慣例的」順序は必要ありません
 新聞紙面の特徴とはなんでしょうか? 一つの紙面に様々な要素の記事が掲載されることですね。細かく見てみれば報道記事のほかに、コラム(署名記事)、告知文、写真集、あいさつ文のほか、小説・詩など要素の違った記事が混在していて、そういう意味ではちょっと特殊なメディアかもしれません。
 書籍 籍雑誌の場合ならページが基本単位になっていますから最初にご挨拶があってもあまり違和感を感じません。読者は目次をみたり、いきなり繰ったりして、すぐ読みたいところにページ移動しするからです。新聞の場合はページ建てが少ない分、1面が全紙面へ大きく影響します。つまり雑誌や書籍のように、最初にごあいさつがあって、目次があってという『講演会のプログラム?』のような紙面順序に全く意味がありません。
 
トップ記事は全紙面を通じて一番伝えたいことをビジュアル表現で
 それどころか1面というのは、明らかにその紙面の顔になります。読者が手にとって一番最初に目にするページです。([編集サロン17.18]でもお話しましたが)題字もしかり、その号の全記事を通じて一番伝えたいことをトップにするべきですね。特に「アイキャッチ」といって、写真やイラストで眼で読者を引き付ける工夫が特に1面では重要です。そこでの印象が全紙面の印象となって確定することになります。
 
どうしても…の時は、ちょっとした工夫を
 ただ、理屈は分かっても、これまでの慣習を止めるのは、勇気が…という場合もありますね。方針を変えるにはコンセンサスの問題もあります。そこで究極、1面で「ごあいさつ」をどうしても読ませたいのであれば、、印象的・今号の紙面に象徴的なアイキャッチ時事原稿(写真・イラストのエトキ記事=写真説明)とセットして、配置しましょう。そういう工夫で、写真記事⇔挨拶記事を相互補完する効果があります。(イラスト左)
 
 誤解を避けるために申しますと、「ごあいさつ」が不必要だと言っているわけではありません。発行意図や発行者の思いを伝えるのも広報紙の大きな役割です。それは紙面構成でより読まれやすい工夫があって、実は本当はそこが編集者の力の発揮しどころなのですが、そのお話はまた別の機会に…。

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