本文の「行間」と「読みやすさ」を考える [編集ミニ講座](14)

 

  行間についてですが、基本になる文字のサイズによって行間は変わってきますが、新聞の場合、本文行間は半角(本文横サイズの半分)あける、というのが基本になっています。つまり、13級なら行間は6.5級、14級なら7級です。新聞などではそれがいわゆる「読みやすい」とされているわけです。

 私たちはの両方足して『歯送り』という単位を使います。『歯送り』とは行頭から次の行頭までの距離のことを言うので、先ほどの13級なら歯送りは13+6.5=19.5級となります。14級なら21級です。我々略して「本文14の(歯)オクリ21でいこか」などと言っています。
 
でもこれって、すべてに当てはまるのではありません。
 ところで、この行間「半角アキ」という基準は、繰り返しになりますが、新聞の本文でのことで、同じ新聞でもヨコ組みや、写真説明(エトキ)ではまったく違います。写真説明ではほとんど行間はベタに近く、14級に対して2級ぐらいの行間(つまり歯送り16級)の方がまとまって見やすいということもあります。「なんでや」といわれると写真に対して「間延び」するから…などとお答えしています。
 
『行間を決める』とは『読みやすさ』の基準をきめること
 言ってる本人にもよくわかりませんが、「行間を決める」とは読み易さ、見やすさの基準を決めることですよね。本文の文字が多い部分では行間が広い方が読み易いですが、先ほどの写真が中心なら説明は字数も少なくサイドの役割であり写真の障害になっては困るからつめる…という判断です。
 
 読者に対してどうか…以外の基準はありません
 ましてや新聞以外の媒体、書籍やパンフレットになるとまた全く違ってきます。(フジイ企画の基準では)たとえば書籍は最低でも六分と一応決めています。書籍は文字が主流でそれが何十ページにも亘るという前提で、読書時間を勘案して行間と文字のポイントを考慮することが最も重要になってきます。また反対にパンフ類はビジュアルが中心で短時間勝負なので、先ほどの写真説明と同様、行間より紙面全体が拡散しないよう工夫します。
 
 つまりは、常に「読者に対してどうか」というのが「唯一」の判断材料です。その上でもっと「読みやすい」「疲れない」表記法の黄金律があるかも…と模索中です。フジイ企画流は「教科書ではなく常に根拠を示す」こと以外の決まりごとはありません。

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