広報紙発行は独自アイデンティティ形成に威力【第8回“紙ブログ”広報セミナー2014】

 9月も後半となり、夜はだいぶ涼しくなりました。2014年の『紙ブログ広報セミナー』も第8回目(9/26)となりました。今回も細川さん(ワーカーズコープ)とご一緒に進めさせていただきました。今回のテーマは「自己コンサルティング広報・広報紙発行は広報効果以上の価値」。毎回ホワイトボードにその日のテーマを貼っているのですが、細川さんが開口一番「自己コンサルティング???」。今回はこれまでの流れからこのテーマになったのですが、広報紙発行の目的は自らの企業(団体)の取り組みについて広く知らせることですね。ですが広報紙の効果と価値はそれだけではない。これが今回のテーマです。(な)

 
広報効果(読まれているか)だけを考えると続かない!?
 じゃあどんな効果が?という前に…。本来の広報紙の目的は、会社(団体)の商品・サービスや考え方を広く知ってもらおう…ということですね。ただ、それが読者にキッチリ届いている(伝わっている)かどうかを検証しようとしたら、実をいうとなかなか難しいのです。それが「手間の割に効果が見えない」として皆様が広報紙の発行自体を敬遠する理由の一つかもしれません。でも広報紙づくりづくりの意義はそれだけではありません。
 
広報紙の「記録性」という機能を利用して…
 広報紙の発行の取り組みを、もう少し別の角度で見てみようというのが今回の狙いです。過去のセミナーでもお話ししていますが、広報紙の機能のひとつに「記録性」というものがあります。ブログ・SNSは古いものはどんどん流れてしまいますが、広報紙は手に取れるカタチとして残ります。今回のお話は広報紙を利用して社内のスキル蓄積や、営業戦略作りそのものをやっていこうというものです。
 
「独自戦略」構築や「技術の伝授」「マニュアル」づくりそのものに利用
 広報紙を発行する本来の目的はひとます置いておいて、「自社の技術力アップ」、や「営業戦略づくり」のための皆様の取り組みを考えてみましょう。会社なら新しい時代を見据えて営業企画会議やら社内研修、また「ノウハウのマニュアル化」などいろんな取り組みをされてますね。今回は以前お話しした紙面の『コラム』化を利用して、文字通り「営業戦略作り」や自社の「スキル構築」「マニュアルづくり」にそのまま利用するのです。例えばこの「フジイ企画“紙”ブログNEWS」の中の、『早朝営業会議より』や今書いている『肌で感じる編集サロン』というコラムもそうです。
 
広報紙化で単なる“会議の議事録”を超えた生きた資料に
 『早朝営業会議より』は月に一度社内で行われる営業会議の内容について連載しているコラムです。いくつか読んでいただければ気づかれるかもしれませんが、これは単に会議の議事録ではありません。実際の会議では営業戦略についての到達点や問題点、社外秘の事項や生々しい話もあるのですが、それをそのまま掲載するのではなく、その時々のトピックスや自社特有のやり方や課題などエッセンスの部分を取り出し、加工して掲載しています。

読者の視点を通過する“戦略”や“ノウハウ”の大きな価値
 議事録と違う点とはなにかと言えば、社内で議論して練りこんだ内容でも「一般読者」を想定してポイントを絞って書き直すということです。広報紙として発行するためには、他の人が読んでも面白く・役立つような記事にするべきですよね。そのためには決まったことやノウハウでも内容を整理し、誰もがわかるようにする必要がありますね。この作業は思いのほか、会議のための会議から脱出して自己の振り返りになったり、新たな解決可能な課題が見えたり、そのものがノウハウになってくることになります。

心臓部のコラム化は組織の羅針盤づくりそのもの
 この広報紙の“記録性”という機能を利用して上記のように読者を意識して書いた記事は、簡単にまとめられていて、積み重なれば自身のテキストやマニュアルそのものに(しかも活字化されて)なります。私達も、会議を振り返るときによく『紙ブログ』バックナンバーを見て以前に構築したノウハウや決めごとを検証しながら進めるのです。これをまとめれば一冊のノウハウ本になります。つまり広報紙を継続すること自体が向かうべき方向の羅針盤となり、独自のアイデンティティが形成することにもなるのです。

10月は日程変更になります
 そういったわけで、今回は広報紙の「広報効果」とちがった価値についてお話いたしました。さて、次回セミナーは予定を変更して10月17日(金)18時からの開催となります。2014年度のセミナーも残すところあと2回(10月・11月)となりました。内容は1回ずつで完結するようにしていますので、初めてのご参加でも問題ありません。直前まで受け付けておりますので、ぜひお越しください!


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