IT時代のコミュニケーション

ブログ活用!?で「経営理念」を少しづつに明確に…

 最近さかんに『マッチング』ということが言われるようになってきました。昨日も朝のテレビで最近の求人難に立ち向かう企業の特集があって、高い求人倍率の中でやっと獲得した人材も、1年で34%あまりは辞めてしまうという内容で、採用担当者は技術、能力(学力)だけでなく、それぞれの人物と社風とのマッチングを考慮することも採用要件になっているとのことでした。

IT時代で可能になった人と技術の『マッチング』
 現代産業社会の高度化、細分化のなかで、得意とする分野、似て非なる特殊な分野は本当に複雑で、外からはより見えにくくなっていてます。社会背景として言えば、大量消費から個別少量、また個性重視、ナンバーワンからオンリーワンへと、時代を表すキーワードも複雑に変化してきました。今や「何処で誰がやっても同じ」では売れなくなった時代ですが、ビジネス社会は技術、専門分野の細分化以上に、それを『マッチング』させることを可能にするコミュニケーション手段が開発されたおかげで、より強調されるようになったのかもしれません。その中での価値とは、突き詰めれば今後、企業なら技術や成果に裏付けされた経営理念や営業スタンス、個人ならその生き方やポリシーなどで、それが直接売りになっていくことになると思います。要するに「その人」「その企業」そのもののあり方が、商品より重要な価値になるだろうということです。

売り込みも多く、こちらも探しているのに見つからないという現象
 今回、やっとのことでフジイ企画ホームページのリニューアルをしました。これに取り組むまで数年の月日を費やしてしまいました。HPを組み変えることで、やりたいこと、やれることがあると感じているのに進まなかったのです。ただ全くほったらかしにしていたわけでもなく、その間、HP制作会社が何社も売り込みに来られたり、また知り合いを通じてこちらから依頼したりもしていたのです。できなかった言い訳をすれば時間的な問題、コンセプト作りの問題、費用対効果の問題やらいろいろファクターはあったのですが、結局は専門業者と当方とのミスマッチ感を払拭続できなかったというのがより正確です。当然こちらの方針も曖昧で明確化できなかったことももありました。

ブログでは商品ではなく「人」と「ポリシー」を買います。
 今回できあがったホームページは、別のブログをいじっていて知り合った制作者との関係から、やっと生まれたものです。その人のブログの内容を読んでいて自分と考えていることがピッタリで「これなら」とこちらからアクセスしました。人や物を探すにはある意味でインターネット(特にブログ)は最適だなと実感した最初です。カテゴリーでいえば「ホームページ制作」会社と簡単にくくってしまうけど、会社の特徴も依頼者の要求も様々で、専門的分野や目指す方向、いわゆる自分の持つポリシーとコンセプトをツーカーで理解し合えなければ最後までかみあわないのです。ブログを契機に制作者のそれに向き合う姿勢と方向性を知ることができたおかげで、ちょっと時間はかかったものの方向性も確認でき、費用も納得のいくものになりました。

『ミスマッチ』…本当は、ずっと以前から悩みの種でした。
ITからほど遠い「印刷関連」とひとくくりにされる我々の業界も、得意分野、不得意分野を上手に一言で説明できないのが悩みの種でした。先ほどのHP製作業者とのミスマッチ感と同じで、うちのお客様も同じ事を感じていたかもしれません。印刷関係のことなら一通り(デザインでも編集でも企画でも)何でもします…としか言いようがなかった(もちろんできる自信はありましたが)面があって、結局は単価の問題や、お客様の要求をどこかで把握しきれず、応え切れなかった面が多々発生してました。よくよく考えてみると、こうだといえる自分の向かいたい指標と方向性があいまいだったことを知るようになります。

マッチしないと売り手も買い手も不幸の元
 いくつかの仕事の失敗事例を検証してみたのですが、業務上よく注意しているのに通常起こりえないミスが発生する仕事がいくつかあって、初動のミスが方向性にケチをつけたみたいに、その仕事に限って(関連がないのに)単純ミスが多発することがよくありました。検証してみるとそのほとんどが最初に何らかの不安感や否定感を持っているものであったのです。こんな場合、なぜか最後までトラブル続きで、ほとんど『波長があわない』としか言いようのないことがおこったりします。全く手抜きをしていたわけではないのだから、最後にはお客様も不幸になるばかりではなく、できるだけのことをやっているこちら側がより不幸になることに気づきました。

なんでも『やります』は、なんでも『中途半端』
 マッチングを考えるようになったのはこの頃で、トラブルの原因は単純に注意ミスの問題ではなく自分が向かいたい方向性が安定してなかったのです。そこで考えたすえ、喜んで取り組めてお客様を満足させられる仕事以外は、あえて受注しない基本方向を出しました。受注方針を変えたのでデザイナーから不満がでる場面もありましたが、あえて営業をストップしました。一方うちの得意分野『広報紙、新聞づくり』は全面に出して『機関紙コンクールで優勝を!』などのキャッチを打ち出したりしました。『楽しく仕事ができて、お金が入って、お客様もよろこんで』の三方よしを目指し、そのための自社の方針と経営理念、営業の方向性をはっきりさせることに注意を向けました。

コミュニケーションは言葉の整理から
 結局は、なんと言っても充分なコミュニケーションの不足がトラブルを招くのですが、スタッフとの意思疎通も充分になされないままから何となく『風潮』ができたりすることは一番問題で、理念と方向制を明確にするという目的がはっきりした以上、記録が残る文章で表現することが第一だと感じていて、今これにはブログがピッタリだと感じ始めています。書き始めは殆ど自分でも整理できていないことが、なんとなく自動的にまとまっていく気がしています。不思議なことですが、「自分はこんなこと考えてるんや」と思うことにびっくりすることも…。辻褄が合わなくなったりして公表していくのは反面怖いことでもあるのですが、それで形づくっていけるなら、徐々に少しづつ楽しんでやろうと思っています。



2 comments to this article

  1. プレジレント

    on 2008年3月22日 at 23:40 - 返信

    『楽しんで仕事する』確かに、はかどるしいい仕事ができる要素であると思います。分野は違いますが自分は電気工事業の業界で様々な工事をしています。最初は住宅、店舗、空調、工場設備機器、最近ではLAN工事、確かに専門業者に比べるとまだまだかも知れませんが、やればやるほど技術が身に付き仕事が楽しくなります。「何で俺がこんな仕事をするんや!」では楽しくないし技術もつかないし。今はひと通りのことが出来、現場仕事が楽しいです。

  2. KAN

    on 2008年3月23日 at 22:52 - 返信

     今回は、色んなことを書きなぐって、なんかまとまりのない文章になりました。すみません。
     『仕事は辛いものだけど、これを我慢して頑張ろう』という今まで一般的に教えられてきた信念では、決していいものはできないな…と感じています。創造的な努力は、それをしている人にとっては本当は努力ではないし、本人が喜んでないのになんで人を喜ばすことなどできるのか、ということでしょうね。

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